大人の学び直しは何から始めればいい?
仕事や日々の生活を続けるなかで、「新しい知識を身につけたい」「以前勉強した内容をもう一度学びたい」と考えることがあります。
一方で、いざ勉強を始めようとすると、「何を勉強すればいいのか」「教材はどう選べばいいのか」「仕事をしながら続けられるのか」と迷うこともあるでしょう。
大人の学び直しでは、最初から難しい教材や長時間の勉強に取り組む必要はありません。まずは学ぶ目的を整理し、自分の生活に取り入れやすい方法を考えることが大切です。
この記事では、これから学び直しを始めたい人に向けて、テーマの決め方や学習方法、無理のない計画を作るための基本的な手順を紹介します。

最初に「なぜ学びたいのか」を整理しよう
学び直しを始める前に確認しておきたいのが、勉強する目的です。
目的が曖昧なまま教材を購入すると、途中で「何のために勉強しているのだろう」と感じることがあります。
まずは、現在興味を持っていることや、学習によって身につけたいことを書き出してみましょう。
仕事に関する知識を身につけたい
現在の仕事に必要な知識を学び直したい場合は、業務の中で困っていることや、もう少し詳しく知りたいことから考える方法があります。
例えば、パソコンを使う機会が多いのであれば、表計算や資料作成について学ぶことが考えられます。仕事で外国語を使う機会がある場合は、語学学習を検討することもできるでしょう。
「仕事に役立つことを勉強する」と広く考えるのではなく、具体的にどのような知識や技能を学びたいのか整理すると、学習テーマを決めやすくなります。
資格取得を目標にしたい
学び直しの目標として、資格取得を検討する人もいます。
資格を選ぶ場合は、知名度だけで決めるのではなく、取得する目的や試験内容を確認することが大切です。
受験資格、試験日、学習する範囲などは資格によって異なります。興味のある資格が見つかったら、実施団体などが案内している最新の情報を確認しましょう。
資格については、次の記事で目的や期間、勉強方法の決め方を詳しく紹介します。
趣味や興味のある分野を学びたい
学び直しは、仕事や資格だけを目的にする必要はありません。
歴史、語学、料理、デザイン、ITなど、自分が興味を持っている分野について学ぶことも選択肢のひとつです。
「以前から気になっていた」「もう少し詳しく知りたい」と感じるテーマがあれば、そこから始めてみるのもよいでしょう。
学びたいテーマを具体的にしてみよう
目的を整理したら、次は実際に何を勉強するのか具体的にしていきます。
テーマを広く設定しすぎると、どこから手を付ければいいのか分かりにくくなることがあります。
大きなテーマを小さく分ける
例えば「英語を勉強する」という目標だけでは、取り組む内容が幅広くなります。
「日常的に使う英単語を学ぶ」「英文を読む練習をする」「英語を聞く時間を作る」など、具体的な内容へ分けてみましょう。
パソコンについて学ぶ場合も、「表計算ソフトの基本操作」「資料の作り方」「タイピング」などに分けることで、最初に取り組む内容を決めやすくなります。
今の自分に必要な内容から考える
学びたいことが複数ある場合は、現在の生活や仕事で必要性を感じているものから考える方法があります。
すべてを同時に始めるのではなく、まず一つのテーマに絞ることで、学習する内容や教材を整理しやすくなります。
一つのテーマに取り組んだあと、必要に応じて別の内容へ広げていくこともできます。
現在の知識や経験を確認しよう
学習テーマが決まったら、その分野について現在どの程度知っているのか確認してみましょう。
大人の学び直しでは、以前学校で学んだ内容や仕事で身につけた知識などがある場合もあります。
知っていることと分からないことを分ける
最初からすべてを勉強し直す前に、「すでに知っていること」と「もう一度確認したいこと」を簡単に整理してみましょう。
例えば英語であれば、中学校で学習した基本的な文法をどの程度覚えているのか確認します。パソコン操作であれば、普段使っている機能と使ったことがない機能を分けてみます。
現在の状況を把握することで、必要な内容から学習を始めやすくなります。
分からない場合は入門レベルから確認する
長い間勉強から離れていて、現在の理解度が分からないこともあります。
その場合は、初心者向けの教材や入門的な内容を確認し、知っている部分と分からない部分を探してみましょう。
最初から難しい内容に挑戦するよりも、基本的な内容から確認することで、その後に必要な学習を整理しやすくなります。
自分に合った学習方法を考えよう
学びたいテーマが決まったら、次はどのような方法で勉強するのか考えます。
現在は書籍だけでなく、動画やオンライン講座など、さまざまな方法で学習できます。それぞれ特徴が異なるため、自分の生活や学習目的に合わせて選びましょう。
書籍や教材を使って独学する
参考書や入門書などを購入し、自分で読み進める方法です。
学習する時間や場所を自分で決めやすく、興味のある部分を繰り返し確認することもできます。
一方で、分からない部分があった場合は、自分で調べながら進める必要があります。
独学を始める場合は、最初から複数の教材を用意するのではなく、まず基本となる教材を決めて取り組む方法があります。
動画を使って学習する
文章だけでは理解しにくい内容は、動画による解説を利用する方法もあります。
画面操作や手順などを確認したい分野では、実際の動きを見ながら学習できることがあります。
ただし、動画を見るだけで学習を終えるのではなく、必要に応じてメモを取ったり、実際に操作したりするなど、学んだ内容を確認する時間も作りましょう。
オンライン講座などを利用する
インターネットを利用して受講できるオンライン講座も、学び直しの方法のひとつです。
録画された講義を視聴する形式や、決められた時間に授業へ参加する形式など、サービスによって受講方法は異なります。
利用を検討するときは、講座内容だけでなく、受講期間や視聴方法、質問できる仕組みなども確認しておきましょう。

教材を増やしすぎないようにしよう
学び直しを始めると、さまざまな教材や学習サービスが気になることがあります。
しかし、複数の教材を同時に使おうとすると、どれから進めればいいのか分かりにくくなる場合があります。
最初に使う教材を絞る
初心者の場合は、まず入門的な教材を一つ決め、全体の内容を確認してみましょう。
一冊の本を最初から最後まで覚える必要はありません。まずは学びたい分野の全体像を知るために利用する方法もあります。
学習を進めるなかで説明が不足していると感じた場合に、必要な教材を追加することを検討しましょう。
教材ごとの役割を決める
複数の教材を使う場合は、それぞれの役割を決めておくと整理しやすくなります。
例えば、「基本を理解するための入門書」「問題演習に使う問題集」「分からない部分を確認する動画」などです。
同じ内容を扱う教材を増やすのではなく、現在の学習で不足しているものがあるか確認してから追加しましょう。
無理のない学習時間を決めよう
社会人の学び直しでは、仕事や家事などと勉強を両立する必要があります。
最初から毎日長時間勉強する計画を立てると、忙しい日に続けにくくなることがあります。
まずは生活スケジュールを確認する
学習計画を作る前に、普段の一日の過ごし方を確認してみましょう。
起床から出勤までの時間、通勤時間、帰宅後の時間、休日などを書き出すと、学習に使えそうな時間を探しやすくなります。
勉強時間を新しく作ることだけを考えるのではなく、普段の生活の中に取り入れられる時間がないか確認してみましょう。
短い時間から始めてみる
まとまった勉強時間を確保することが難しい場合は、短時間から始める方法があります。
例えば、平日は少しずつ教材を読み、時間を確保しやすい休日に復習するといった方法です。
重要なのは、最初に決めた時間を守り続けることではなく、自分の生活に取り入れやすい学習方法を見つけることです。
学習するタイミングを決めておこう
「時間ができたら勉強する」と考えていると、仕事や家事などを優先し、学習が後回しになることがあります。
大まかでもよいので、いつ勉強するのかを決めておきましょう。
生活の中に学習を組み込む
例えば、「朝食後に教材を読む」「通勤時間に学習内容を確認する」「休日の午前中に勉強する」など、普段の行動と組み合わせる方法があります。
毎日同じ時間を確保できない場合は、曜日ごとに学習するタイミングを変えても問題ありません。
忙しい日の学習方法も決めておく
仕事が忙しい日や予定がある日は、普段と同じように勉強できないこともあります。
そのような日は、「教材を少し読む」「前回の内容を確認する」など、短時間でできる内容へ変更する方法があります。
一度予定どおりに進まなかったからといって学習を中断するのではなく、生活に合わせて調整しながら続けることを考えましょう。
最初の目標は小さく設定しよう
学び直しを始めるときは、「できるだけ早く知識を身につけたい」と考え、最初から大きな目標を設定することがあります。
しかし、仕事や家事などと両立しながら学ぶ場合は、予定どおりに進められない日もあります。
まずは取り組みやすい目標を設定し、学習状況に合わせて少しずつ調整していきましょう。
行動が分かる目標を作る
「英語を勉強する」「パソコンに詳しくなる」といった目標だけでは、毎日何をすればよいのか分かりにくい場合があります。
例えば、「今週は入門書の第1章を読む」「土曜日までに練習問題へ取り組む」など、具体的な行動に置き換えてみましょう。
何をするのかが明確になれば、学習を始めるときに取り組む内容を決めやすくなります。
短期的な目標と長期的な目標を分ける
数か月後の目標だけではなく、1週間や1か月程度で確認できる目標も作っておく方法があります。
例えば、長期的には「基本的なパソコン操作を学ぶ」、短期的には「今週は表計算の基本操作を確認する」といった形です。
短期的な目標を確認しながら、必要に応じて次に取り組む内容を決めていきましょう。
学習した内容を簡単に記録しよう
学び直しを続けると、以前何を勉強したのか分からなくなることがあります。
細かな学習日記を作る必要はありませんが、取り組んだ内容を簡単に記録しておくと振り返りやすくなります。
勉強した内容を書いておく
ノートや手帳、スマートフォンのメモなどを利用し、「教材の何ページまで進んだか」「どの動画を見たか」などを記録します。
学習時間を記録したい場合は、「30分勉強した」など簡単に残しておく方法もあります。
自分が確認しやすい方法を選び、記録すること自体が負担にならないようにしましょう。
分からなかったことも記録する
勉強中に理解できなかった内容があれば、その場ですべて解決しようとせず、後から確認できるようにメモしておく方法があります。
時間があるときに教材を読み直したり、別の解説を確認したりすることで、学習を進めやすくなります。
「分からないことの一覧」を作っておけば、次に何を確認すればよいのか整理する材料にもなります。
学習が続かないときは方法を見直そう
最初に決めた学習方法が、自分の生活に合わないこともあります。
勉強できない日が続いた場合は、やる気だけの問題と考えるのではなく、計画や教材に無理がないか確認してみましょう。
勉強時間が長すぎないか確認する
毎日まとまった時間を確保する計画が難しい場合は、1回あたりの学習時間を短くする方法があります。
平日は短時間、休日は少し長めにするなど、曜日によって学習量を変えてもよいでしょう。
現在の生活に合わせて、取り組みやすい時間へ調整することが大切です。
教材が難しすぎないか確認する
教材を開いても内容がほとんど理解できない場合は、現在の知識と教材の難易度が合っていない可能性があります。
一つ前の段階の教材へ戻ったり、入門向けの解説を確認したりする方法があります。
反対に、知っている内容が多い場合は、必要な部分を選んで学習することも考えてみましょう。
学んだ内容を実際に使ってみよう
教材を読むだけではなく、学んだ内容を実際に使うことで、どこまで理解できているのか確認しやすくなります。
学習内容に合わせて練習する
例えばパソコン操作を学んでいる場合は、解説を読むだけではなく、実際にソフトを操作してみます。
語学を学んでいる場合は、覚えた単語を使って文章を作ったり、短い英文を読んだりする方法があります。
学習テーマに合わせて、知識を使う機会を作ってみましょう。
できなかった部分を次の学習につなげる
実際に使ってみると、教材を読んでいるときには気付かなかった疑問が出てくることがあります。
分からなかったことを記録し、次の学習で確認すれば、取り組む内容を具体的にできます。
「勉強してから実践する」だけではなく、「実践して分からなかったことを勉強する」という流れも取り入れてみましょう。
定期的に学習方法を振り返ろう
学び直しを始めたあとは、定期的に現在の方法が自分に合っているか確認しましょう。
続けやすかった方法を確認する
朝に勉強した日は取り組みやすかった、動画より書籍の方が理解しやすかったなど、実際に学習したことで分かることがあります。
自分が取り組みやすかった方法を残し、負担になっている部分を調整していきましょう。
目的が変わったら計画も変更する
学習を進めるなかで、最初に考えていた目的が変わる場合もあります。
興味のある分野が広がったり、さらに詳しく学びたい内容が見つかったりした場合は、学習計画を見直してもよいでしょう。
最初に作った計画を守ることだけを目的にせず、現在の目的に合わせて学ぶ内容を調整することが大切です。

大人の学び直しは取り組みやすいことから始めよう
大人が学び直しを始めるときは、まず「なぜ学びたいのか」を整理し、具体的な学習テーマを決めるところから始めます。
そのうえで、現在の知識や経験を確認し、書籍、動画、オンライン講座などから自分に合った学習方法を検討しましょう。
仕事や家事などで忙しい場合は、最初から長時間の勉強を予定するのではなく、生活に取り入れやすい時間から始める方法があります。
また、実際に始めてみて続けにくいと感じた場合は、勉強時間や教材、学習方法を見直すことも大切です。
まずは興味のあるテーマを一つ選び、取り組みやすい内容から学び直しを始めてみましょう。

