冷凍した野菜が水っぽくなるのはなぜですか
細胞が壊れて水分が抜けるからです。解凍したときに水っぽく感じるのは、野菜が傷んだわけではなく、組織の構造が変わった結果です。
野菜の細胞には水分がぎっしり詰まっています。冷凍庫に入れると、この水分が凍って氷の結晶になります。氷は水より体積が大きいので、結晶が膨らむ過程で細胞壁を内側から突き破ります。解凍するとその壊れた壁から水分がどんどん出てきます。これがドリップと呼ばれる液体で、水っぽさの正体です。同時に、うまみ成分もこの水分と一緒に流れ出てしまいます。
たとえば、きゅうりをそのまま冷凍して解凍すると、しなしなになって元の食感はほぼ戻りません。買ったばかりのきゅうりが1本100円だとしても、冷凍後は炒め物に使うくらいしか道がなくなります。せっかくの歯ごたえが台無しです。
一方で、加熱調理を前提とした野菜なら話は別です。ほうれん草や小松菜は下茹でしてから冷凍すれば、味噌汁や炒め物に使う分には気になりません。玉ねぎやにんじんも、みじん切りにしてから冷凍しておくとカレーやスープにそのまま放り込めます。冷凍が向く野菜と向かない野菜がある、というのが実際のところです。生食前提の野菜、水分の多い野菜ほど冷凍には不向きだと考えておいて間違いありません。
肉や魚はパックのまま冷凍していいのでしょうか
結論から言うと、あまりおすすめできません。パックのトレーには余分な空間があり、そこに空気が入り込むことで冷凍焼けが起きやすくなるからです。
冷凍焼けとは、食品の表面が空気にさらされて乾燥し、色が変わったりパサついたりする現象です。パックのままだとラップと肉の間にすき間ができやすく、そこから水分が抜けていきます。さらに、スーパーのトレーは保存を目的とした設計ではないため、密閉性が低いという弱点もあります。
具体的には、鶏むね肉をパックのまま冷凍庫に2週間ほど入れておくと、表面が白っぽく変色していることがよくあります。これは霜焼けのような状態で、食べられないわけではありませんが、風味も食感も落ちています。解凍して焼くと、パサついた仕上がりになりがちです。
これを防ぐには、パックから出してラップで密着させるように包み、さらに保存袋に入れて空気を抜くのが基本です。1回分ずつ小分けにしておけば、使う分だけ取り出せて無駄がありません。ただし、真空パック済みの商品はそのまま冷凍しても問題ありません。すでに空気を遮断する処理がされているためです。買った状態をよく見て、密閉されているかどうかで判断するとよいでしょう。
一度解凍した食材を再冷凍してはいけないのはなぜですか
基本的にはやめたほうがいいです。理由は品質の劣化と、食中毒のリスクが上がることの2つです。
解凍すると、食品の中で氷の結晶が溶けて水分に戻ります。この過程で細胞は一度壊れています。再冷凍すると、また新しい氷の結晶ができて、さらに組織を傷つけます。つまり冷凍と解凍を繰り返すたびに、食感と風味はどんどん落ちていきます。加えて、解凍中は食品の温度が上がるため、細菌が増えやすい状態になります。冷蔵庫でゆっくり解凍した場合はまだリスクが低いのですが、常温で放置した場合は特に注意が必要です。
よくあるのは、朝に冷凍の豚バラ肉を出しておいて、結局その日は使わずに夜また冷凍庫に戻すケースです。この間、肉は室温で数時間過ごしていることになります。細菌が増える温度帯を長時間通過しているため、再冷凍しても安全とは言い切れません。
例外として、解凍後にしっかり加熱調理してから冷凍する場合は、リスクがかなり下がります。生の状態で再冷凍するのではなく、一度火を通してから冷凍するという考え方です。ハンバーグや肉じゃがのように、加熱済みの料理として冷凍し直すのは実用的な方法です。生のまま解凍と冷凍を繰り返すのは避け、使う分だけ解凍するのが基本になります。
冷凍ご飯がまずくなるのはどうしてですか
炊きたてのご飯をゆっくり冷ましてから冷凍すると、でんぷんの劣化が進みやすくなります。これがぱさついた食感の主な原因です。
米のでんぷんは、炊くことで水分を含んでやわらかい状態になります。これを糊化と呼びます。ところが、常温でゆっくり冷めていく間に、でんぷんは再び硬い構造に戻ろうとします。これを老化と呼び、時間が経ったご飯が硬くパサパサになる理由です。冷凍する前にすでに老化が始まっていると、解凍してもふっくら感は戻りません。
たとえば、炊飯器の保温機能でご飯を数時間置いてから冷凍した場合と、炊きたてをすぐラップに包んで冷凍した場合とでは、解凍後の味に明らかな差が出ます。前者はパサつきが強く、後者はふっくらとした食感が残りやすいです。1食分150グラムくらいを目安に、平らに薄く包んでおくと熱の伝わりが均一になり、老化が進む前に冷凍が完了します。
ここは好みの分かれるところですが、電子レンジで解凍する際にラップを外さず、少し水を垂らしてから加熱すると水分が補われて食感が戻りやすくなります。逆に、自然解凍や冷蔵庫での解凍は時間がかかる分、老化が進みやすいのでおすすめしません。急速に加熱して一気に温度を上げるのが、ご飯の冷凍解凍ではコツになります。
冷凍に向かない食材はありますか
あります。代表的なのは、豆腐、こんにゃく、じゃがいも、ゆで卵です。これらは冷凍すると食感が大きく変わってしまいます。
理由は食材ごとに違いますが、共通しているのは水分の構造です。豆腐は内部の水分が凍って膨張し、解凍するとスポンジ状にすかすかになります。こんにゃくも同様に、独特の弾力が失われてゴムのような食感に変わります。じゃがいもはでんぷんの質が変わり、解凍するとぼそぼそした食感になります。ゆで卵の白身は、冷凍によって水分が抜けてゴムのように硬くなる性質があります。
実際に、カレーを大量に作って冷凍保存する人は多いですが、じゃがいも入りのカレーをそのまま冷凍すると、解凍後のじゃがいもだけ食感が悪くなっていることに気づくはずです。同じ鍋の中でも、じゃがいもだけが浮いた存在になります。豆腐の味噌汁を冷凍して、翌日温め直したら豆腐がすかすかだった、という経験がある人もいるでしょう。
これを避ける方法としては、冷凍する前にじゃがいもだけ取り除いておく、あるいは食べる直前に別で加えるという工夫があります。豆腐はあえて凍らせて高野豆腐のような食感を楽しむ調理法もあるので、一概に失敗とは言えません。用途次第では、この食感の変化を逆手に取ることもできます。冷凍に向かないと言われる食材でも、料理によっては別の魅力に変わる場合があるということです。

