資格取得を目指す前に考えておきたいこと
仕事に関する知識を身につけたい、新しい分野について学びたいなど、学習を始めるきっかけとして資格取得を考えることがあります。
一方で、資格にはさまざまな種類があるため、「どの資格を選べばいいのか」「どのくらい勉強すればいいのか」と迷うこともあるでしょう。
資格取得を検討するときは、知名度やイメージだけで選ぶのではなく、取得する目的や試験内容、必要な学習期間などを確認することが大切です。
この記事では、これから資格取得を目指したい人に向けて、資格を選ぶ前に整理したいことや、学習期間・勉強方法を決める基本的な考え方を紹介します。
まずは資格を取得する目的を整理しよう
資格について調べる前に、「なぜ資格を取得したいのか」を考えてみましょう。
同じ資格でも、仕事で必要だから取得する人もいれば、知識を身につけるために学習する人もいます。
目的を整理することで、どのような資格を調べればよいのか判断しやすくなります。
現在の仕事に関連する資格を取得したい
現在担当している仕事について、より詳しい知識を身につけるために資格を検討する場合があります。
この場合は、資格の学習内容が現在の業務とどの程度関連しているのか確認してみましょう。
資格名だけで判断せず、試験で扱われる分野や出題範囲を確認すると、学びたい内容との違いを把握しやすくなります。
今後の仕事を考えて資格を取得したい
転職や仕事内容の変更などを考えるなかで、資格取得を検討することもあるでしょう。
その場合は、資格を取得することだけを目的にせず、希望する仕事ではどのような知識や経験が求められているのかも確認することが大切です。
職種によっては資格が必要な場合もあれば、資格以外の経験や技能などが確認される場合もあります。
「資格を取得すれば希望する仕事に就ける」と決めつけず、仕事内容や応募条件などもあわせて調べてみましょう。
知識を身につけるために学習したい
仕事で資格が必要ではなくても、興味のある分野について体系的に学ぶため、資格試験の内容を学習する方法があります。
試験日や出題範囲が決まっていれば、学習する内容や期間を設定する目安として利用できます。
資格取得そのものと、知識を身につけることのどちらを重視するのかも考えてみましょう。

興味のある資格について基本情報を確認しよう
目的に合いそうな資格が見つかったら、勉強を始める前に資格の基本情報を確認します。
インターネット上にはさまざまな情報がありますが、試験制度や日程などは変更される場合があります。試験を実施している団体などが案内している最新情報も確認しましょう。
受験資格を確認する
資格によっては、誰でも受験できるものだけでなく、学歴や実務経験、特定の資格などが受験条件として設定されている場合があります。
学習を始めてから受験条件を満たしていないことに気付かないよう、最初に確認しておきましょう。
受験資格に条件がある場合は、どのような証明が必要になるのかについても確認しておくと準備しやすくなります。
試験日や申込期間を確認する
資格試験には、年に複数回実施されるものや、決められた時期に実施されるものなどがあります。
試験日だけでなく、受験申込の受付期間も確認しておきましょう。
受験したい時期が決まっている場合は、申込期限から逆算して準備を進めることが大切です。
試験科目や出題範囲を確認する
資格名から想像していた内容と、実際の試験範囲が異なる場合もあります。
試験科目や出題範囲を確認し、自分が学びたい内容と合っているか見てみましょう。
複数の科目がある場合は、現在の知識で取り組みやすい分野と、時間をかけて学習したい分野を整理する材料にもなります。
試験までに使える期間を確認しよう
受験したい資格と試験日が決まったら、現在から試験までどの程度の期間があるのか確認します。
残りの日数だけで判断しない
例えば試験まで3か月あったとしても、毎日学習できる人と、週末を中心に学習する人では確保できる時間が異なります。
「試験まで何か月あるか」だけではなく、仕事や家事などを考慮して、実際に学習へ使えそうな時間を確認しましょう。
生活の予定も含めて考える
試験までの期間に仕事が忙しくなる時期や家庭の予定などがある場合は、その期間も考慮して学習計画を作る必要があります。
毎週同じ時間を勉強できるとは限らないため、時間を確保しやすい時期と難しい時期をあらかじめ確認しておきましょう。
余裕のない計画を作るのではなく、予定が変わったときに調整できる時間を残しておくこともポイントです。
必要な学習量を考えてみよう
試験までに使える期間を確認したら、次はどの程度の内容を学習する必要があるのか整理します。
必要な学習量は、資格の試験範囲だけでなく、これまでの知識や経験によっても変わります。
まずは試験範囲の全体像を確認する
最初に試験科目や出題範囲を確認し、どのような内容を学習するのか大まかに把握してみましょう。
複数の科目がある場合は、科目ごとに学習する内容を書き出しておくと整理しやすくなります。
最初から細かな学習計画を作るのではなく、まず全体像を確認してから、具体的な予定へ落とし込んでいきましょう。
現在の知識によって学習量は変わる
同じ資格を受験する場合でも、関連する仕事の経験がある人と、初めてその分野を学ぶ人では、学習に必要な時間が異なる場合があります。
教材の最初の部分や練習問題などを確認し、現在どの程度理解できるのかを把握してみましょう。
分からない内容が多い場合は、基礎的な内容を確認する時間も学習計画に含めておくとよいでしょう。
試験日から逆算して学習計画を作ろう
資格試験の日程が決まっている場合は、試験日から逆算して学習計画を考える方法があります。
ただし、毎日の予定を細かく決めすぎると、仕事や家庭の予定によって計画がずれたときに調整しにくくなることがあります。
学習期間をいくつかの段階に分ける
例えば、最初の期間は教材を使って基本的な内容を確認し、その後に問題演習へ進み、試験が近づいたら間違えた問題を見直すといった流れを考えます。
「基礎を確認する期間」「問題を解く期間」「復習する期間」などに分けると、いつまでに何を進めるのか整理しやすくなります。
週単位で目安を決める
社会人の場合、急な仕事や家庭の予定などで勉強できない日もあります。
毎日の学習量だけを細かく決めるのではなく、「今週はこの章まで進める」「今週はこの科目の問題に取り組む」など、週単位の目安を作る方法もあります。
予定どおりに進まなかった場合は、残っている期間と学習内容を確認しながら調整しましょう。
自分に合った勉強方法を考えよう
資格試験の勉強方法には、独学、通信講座、スクールなどがあります。
どの方法にも特徴があるため、費用だけでなく、質問の必要性や学習時間、自己管理のしやすさなども含めて検討しましょう。
独学で勉強する
参考書や問題集などを自分で選び、学習を進める方法です。
自分の予定に合わせて勉強できる一方で、教材選びや学習計画、分からない部分の確認なども自分で行う必要があります。
独学を検討する場合は、必要な教材が入手できるか、試験範囲を自分で整理できそうかなどを確認してみましょう。
通信講座を利用する
資格試験向けの通信講座では、教材や講義動画などを使って自宅を中心に学習する形式があります。
サービスによっては、学習する順番がカリキュラムとして用意されていたり、質問できる仕組みが設けられていたりする場合があります。
利用を検討するときは、受講期間、教材の内容、質問方法、利用できる端末などを確認しておきましょう。
スクールや教室を利用する
教室へ通って講義を受ける方法もあります。
授業の曜日や時間が決まっている場合は、仕事や家庭の予定と両立できるか確認が必要です。
通学に必要な時間や交通手段、欠席した場合の対応なども確認しておくと、実際に利用する場合の生活をイメージしやすくなります。
資格試験の教材を選ぶときのポイント
勉強方法を決めたら、学習に使用する教材についても確認しましょう。
特に独学の場合は、自分で参考書や問題集を選ぶことになります。
現在の試験制度に対応しているか確認する
資格によっては、試験制度や出題範囲などが変更されることがあります。
中古の教材や以前購入した教材を利用する場合は、現在の試験内容と大きな違いがないか確認しておきましょう。
試験を実施する団体から変更内容が案内されている場合は、その情報と教材の内容を照らし合わせることも大切です。
参考書と問題集の役割を分ける
複数の教材を使用する場合は、それぞれを何のために使うのか整理しておきましょう。
例えば、基本的な内容を参考書で確認し、学習した範囲について問題集で演習するといった使い方があります。
似た教材を何冊も購入する前に、現在使用している教材では不足している内容があるか確認することがポイントです。
解説の内容も確認する
問題集を選ぶときは、問題数だけではなく、解答や解説についても確認してみましょう。
間違えた問題を復習するときには、答えだけではなく、考え方や関連する知識を確認したい場合があります。
可能であれば教材の見本などを確認し、自分が読み進めやすい構成になっているか見てみましょう。

資格勉強の時間を生活の中に取り入れよう
資格取得を目指して勉強を始めても、仕事や家事などで予定していた学習時間を確保できないことがあります。
特に社会人の場合は、毎日同じ時間に勉強することが難しい場合もあるでしょう。
最初から長時間の勉強を予定するのではなく、普段の生活の中で取り組めそうな時間を探すことが大切です。
平日と休日で学習量を分ける
平日にまとまった時間を確保しにくい場合は、平日と休日で学習内容を分ける方法があります。
例えば、平日は教材を少しずつ読み進め、休日に問題演習や復習へ取り組むといった形です。
曜日によって仕事や家庭の予定が異なる場合は、毎日同じ学習量にする必要はありません。
短時間でできる学習も用意する
予定していた勉強時間を確保できない日のために、短時間で取り組める内容を考えておく方法もあります。
以前学習した内容を確認する、用語を見直す、間違えた問題の解説を読むなど、その日の状況に合わせて取り組みましょう。
まとまった時間が取れないことを理由に学習を中断するのではなく、生活に合わせて内容を調整することがポイントです。
定期的に進み具合を確認しよう
資格試験の学習期間が長くなる場合は、現在どこまで進んでいるのか分からなくなることがあります。
週や月など一定のタイミングで進み具合を確認し、当初の計画との差を見てみましょう。
学習した範囲を記録する
手帳やノート、スマートフォンのメモなどを使って、取り組んだ教材や範囲を簡単に記録しておく方法があります。
例えば、「参考書の第3章まで」「問題集20〜30ページ」など、後から見て分かる程度で構いません。
記録そのものに時間をかけすぎず、次に取り組む内容を確認するために活用しましょう。
理解しにくい分野も把握する
学習した範囲だけではなく、間違いが多い分野や理解に時間がかかる内容も確認しておきましょう。
特定の分野に時間がかかっている場合は、予定していた学習時間を調整する必要があるかもしれません。
すべての科目へ同じ時間を使うのではなく、現在の理解度を確認しながら学習時間を考えましょう。
計画どおり進まない場合は予定を見直そう
資格勉強を始める前に計画を作っても、予定どおり進むとは限りません。
仕事が忙しくなったり、想定していたより教材を理解するのに時間がかかったりする場合があります。
残っている内容を整理する
予定から遅れている場合は、まず試験までの日数と残っている学習内容を確認します。
そのうえで、基礎的な内容、問題演習、復習など、これから取り組む内容を整理しましょう。
遅れた分をすべて翌日に追加すると負担が大きくなるため、残りの期間全体で予定を組み直すことが大切です。
勉強方法そのものを見直す
学習時間を確保していても進みにくい場合は、現在の勉強方法が合っているか確認してみましょう。
教材の内容が難しい場合は基礎的な解説へ戻る、文章だけでは理解しにくい場合は講義動画など別の方法を組み合わせるといった選択肢があります。
最初に決めた方法を続けることだけを目的にせず、現在の状況に合わせて調整しましょう。
試験直前はこれまで学習した内容を確認しよう
試験日が近づいてきたら、新しい教材を増やすよりも、それまで学習してきた内容を確認する時間を作る方法があります。
間違えた問題を見直す
これまで問題集などで間違えた問題が分かるようにしている場合は、もう一度取り組んでみましょう。
解けなかった場合は、解説や参考書の関連部分へ戻り、内容を確認します。
繰り返し間違えている分野があれば、試験までに確認したい内容として整理しておきましょう。
試験当日の情報も確認する
学習内容だけでなく、試験会場や開始時間、持ち物などについても確認しておきましょう。
受験票や本人確認書類など、必要なものは試験によって異なります。
試験を実施する団体から案内されている最新情報を確認し、当日の移動時間なども含めて準備しておきましょう。
試験が終わったら学習方法を振り返ろう
資格試験を受験したあとは、結果だけではなく、これまでの学習について振り返ってみましょう。
計画と実際の学習量を比較する
勉強を始めた時期は適切だったか、予定していた学習時間を確保できたかなどを確認します。
「問題演習を始める時期をもう少し早くしたかった」「休日にまとめて勉強する方法が取り組みやすかった」など、実際に経験したことで分かることがあります。
今後別の試験や学習に取り組む場合は、今回の経験を次の計画づくりに活用できます。
資格取得後にどう活用するか考える
資格取得を目標としていた場合でも、試験が終わったところで学習を終了するとは限りません。
学んだ知識を仕事で使ったり、関連する分野についてさらに学んだりすることも考えられます。
最初に設定した「なぜ資格を取得したいのか」という目的を振り返り、次にどのような行動につなげるのか考えてみましょう。

目的と生活に合わせて資格取得の計画を立てよう
資格取得を目指すときは、最初に資格を取る目的を整理し、受験資格や試験日、出題範囲などの基本情報を確認することが大切です。
そのうえで、試験までに使える期間と現在の知識を確認し、学習する内容を計画へ落とし込んでいきましょう。
勉強方法には独学、通信講座、スクールなどがあり、それぞれ学習の進め方や必要な費用などが異なります。自分の生活や必要なサポートを考えながら比較することがポイントです。
また、計画どおりに進まない場合は、残りの期間や学習内容を確認して予定を調整しましょう。
資格を取得することだけを目的にせず、学んだ知識をどのように活用したいのかも考えながら、自分に合った学習計画を作ってみましょう。

