退職代行を利用する前に確認しておきたいこと
退職代行を利用しようと調べてみると、さまざまなサービスが見つかります。
料金だけでなく、運営主体や対応範囲、相談方法などにも違いがあるため、申し込み前に比較することが大切です。
また、自分が退職代行に何を依頼したいのかによって、確認すべきポイントも変わります。
この記事では、退職代行の利用を検討している人に向けて、サービスを選ぶ前に確認しておきたい項目を順番に整理します。
まずは退職代行に依頼したいことを整理する

サービスを探し始める前に、自分がどのようなサポートを必要としているのか整理してみましょう。
希望が明確になっていない状態で料金や広告だけを比較すると、自分が求めているサービスとの違いに後から気づく可能性があります。
会社へ何を伝えてほしいのか整理する
まずは、勤務先へ伝えてほしい内容を書き出します。
退職の意思を伝えてほしいのか、希望する退職時期についても伝えてほしいのか、貸与品や必要書類について確認したいのかなどを整理しましょう。
希望する内容によっては、単なる意思の伝達ではなく、勤務先との話し合いが必要になる場合もあります。サービスによって対応できる範囲が異なるため、申し込み前の確認が必要です。
現在の勤務状況を整理する
自分の雇用形態や勤務状況についても確認しておきましょう。
正社員、契約社員、パート・アルバイトなどの雇用形態に加え、期間の定めがある契約かどうかについても雇用契約書などで確認します。
退職希望日が決まっている場合は、その日付もサービスへ相談できるよう整理しておきましょう。
会社との間で気になることを書き出す
退職にあたって勤務先との間で気になっていることがあれば、申し込み前に書き出しておきます。
例えば、未払いとなっている賃金について確認したい、有給休暇について相談したい、会社から費用の支払いを求められているなど、状況は人によって異なります。
こうした問題がある場合は、退職の意思を伝えるだけのサービスで対応できるとは限りません。相談時に状況を伝え、対応可能な範囲を確認しましょう。
退職代行の運営主体を確認する
退職代行を比較するときは、サービス名だけではなく、誰が運営・対応しているのかを確認することも重要です。
退職代行には、民間企業によるサービス、労働組合が関係するサービス、弁護士が対応するサービスなどがあります。
Webサイトの運営者情報を確認する
サービスのWebサイトでは、運営会社や運営組織について確認しましょう。
会社名や所在地、問い合わせ先などの基本的な事業者情報に加え、利用規約や料金に関するページも確認します。
サービス名だけでは実際の運営主体が分かりにくいこともあるため、申し込み前に運営者情報まで確認しておくとよいでしょう。
「労働組合」と書かれている場合も内容を確認する
労働組合が運営している、または労働組合と連携していると案内されている退職代行もあります。
ただし、サービスによって運営や対応の仕組みは異なります。
どの労働組合が関係しているのか、実際にどの組織が勤務先への対応を行うのかなど、公開されている情報を確認しましょう。
弁護士が対応するサービスか確認する
勤務先との間に法的な問題がある場合などは、弁護士への相談を検討するケースがあります。
弁護士が対応すると案内されているサービスを検討する場合は、どの弁護士や法律事務所が対応するのか、相談内容が料金に含まれているのかなどを確認しましょう。
弁護士が関係しているように見える表現があっても、実際の対応体制が分からない場合は、申し込み前に問い合わせて確認する方法があります。
サービスの対応範囲を具体的に確認する
退職代行を比較するときに特に確認したいのが、「料金の中で何をしてもらえるのか」という点です。
同じような料金に見えても、対応内容が同じとは限りません。
勤務先への連絡内容を確認する
退職の意思だけを伝えるのか、そのほかの希望についても勤務先へ伝えてもらえるのか確認します。
退職希望日、貸与品の返却方法、会社に残している私物、必要書類の送付先など、自分が確認したい内容を整理したうえで相談すると比較しやすくなります。
会社から連絡があった場合の対応を確認する
退職代行から勤務先へ連絡した後、会社側から確認や連絡が入ることも考えられます。
その際にサービス側がどこまで対応するのか、追加の連絡にも対応しているのかなどを確認しておきましょう。
「一度会社へ連絡したら終了」なのか、その後も一定期間対応してもらえるのかによって、サービス内容は変わります。
料金体系と追加料金の有無を確認する

退職代行を比較するときは、Webサイトなどに表示されている基本料金だけではなく、その料金に何が含まれているのかを確認しましょう。
サービスによって料金体系が異なるため、金額だけを見て比較するのではなく、対応内容とあわせて確認することがポイントです。
基本料金に含まれるサービスを確認する
まずは、表示されている基本料金でどこまで対応してもらえるのかを確認します。
勤務先への連絡、申し込み前後の相談、その後の連絡への対応など、自分が必要としている内容が含まれているか見てみましょう。
「一律料金」と案内されている場合でも、対象となる雇用形態やサービス内容などに条件が設定されていないか確認することが大切です。
追加料金が発生する条件を確認する
基本料金とは別に、状況によって追加料金が設定されている場合があります。
追加の連絡や特定の対応などに費用が発生する可能性がある場合は、どのような条件で料金が加算されるのか確認しましょう。
料金について分かりにくい部分があれば、「最終的にどのような費用が発生する可能性があるか」を申し込み前に問い合わせておく方法があります。
支払い方法と支払い時期を確認する
退職代行によって、利用できる支払い方法は異なります。
銀行振込やクレジットカードなど、希望する方法に対応しているか確認しましょう。
また、申し込み時に支払いが必要なのか、勤務先への連絡前に支払いを完了する必要があるのかなど、サービス開始までの流れも確認しておきます。
相談できる回数や期間を確認する
退職代行を利用すると、申し込み前だけでなく、勤務先への連絡後にも確認したいことが出てくる場合があります。
そのため、相談できる回数や期間についても確認しておきたいところです。
相談回数に条件があるか確認する
サービスによっては、相談回数について案内している場合があります。
回数に制限があるのか、一定期間であれば相談できるのかなど、具体的な条件を確認しましょう。
「相談可能」と記載されていても、いつまで相談できるのか分からない場合は、事前に確認しておくとサービス内容を比較しやすくなります。
勤務先への連絡後も相談できるか確認する
勤務先への最初の連絡が終わった後に、会社側から追加の確認事項が出ることもあります。
その場合に、引き続きサービスへ相談できるのか確認しておきましょう。
退職日まで対応するのか、一定期間までなのかなど、サポート期間についてもサービスごとに確認します。
相談方法と対応時間を確認する
退職代行への相談方法として、LINE、メール、電話などが用意されていることがあります。
自分が利用しやすい方法だけでなく、対応時間についても確認しておきましょう。
希望する連絡方法に対応しているか確認する
文章で状況を整理して相談したい場合は、LINEやメールなどを利用できるサービスが候補になることがあります。
一方で、細かな状況を会話で説明したい場合は、電話相談の有無も確認してみましょう。
どの方法で相談できるのかはサービスによって異なるため、Webサイトなどの案内を確認します。
対応時間の表記を確認する
夜間や休日に相談したい場合は、対応している時間帯も確認します。
問い合わせ自体は24時間送信できても、担当者からの返信が届く時間帯は別に設定されている場合があります。
「24時間受付」などの表記を見る場合は、問い合わせを送信できる時間なのか、担当者が対応する時間なのかも確認しておきましょう。
キャンセルに関する条件を確認する
申し込み後に状況が変わり、退職代行を利用しないことになる可能性もあります。
そのような場合に備えて、キャンセルに関する条件を事前に確認しておきましょう。
どの時点までキャンセルできるか確認する
申し込み後すぐであればキャンセルできるのか、支払い後はどのような扱いになるのかなどを確認します。
特に、サービス側が勤務先へ連絡した後は取り扱いが変わる可能性があるため、利用規約などを確認しておきましょう。
申し込みを急いでいる場合でも、キャンセル条件を確認してから手続きを進めることが大切です。
返金制度がある場合は適用条件を確認する
返金に関する制度を案内しているサービスもあります。
ただし、返金制度があるからといって、すべてのケースで返金されるとは限りません。
どのような場合が対象となるのか、申請期限や手続き方法が定められているかなど、具体的な条件を確認しましょう。
申し込み前の説明内容を確認しておく
相談をした後、そのまま申し込みを進める前に、担当者から案内された内容を一度整理してみましょう。
相談時の説明とWebサイトの内容を見比べる
相談時に説明された料金やサービス内容が、Webサイトや利用規約などの記載と一致しているか確認します。
分かりにくい部分や説明が異なるように感じる部分があれば、そのまま申し込まず質問してみましょう。
口頭だけで説明を受けた場合は、料金や対応範囲など重要な内容について、確認できる資料や案内があるか尋ねる方法もあります。
急いで申し込むよう求められた場合も内容を確認する
退職について悩んでいると、「できるだけ早く申し込みたい」と考えることもあるでしょう。
ただし、利用条件を十分に確認しないまま申し込むと、自分が想定していた対応との違いに後から気づく可能性があります。
料金、対応範囲、運営主体、キャンセル条件など、自分に必要な項目を確認してから利用を検討しましょう。
申し込み前に必要な情報を整理する
利用する退職代行を決めたら、勤務先への連絡に必要となる情報を整理しておきましょう。
実際に確認される内容はサービスによって異なりますが、自分の勤務状況や希望をまとめておくと相談を進めやすくなります。
勤務先と雇用契約に関する情報を確認する
勤務先の会社名や所属部署、連絡先など、サービス側が勤務先へ連絡するために必要となる情報を確認します。
あわせて、正社員や契約社員、パート・アルバイトなどの雇用形態や、期間の定めがある契約かどうかについても確認しておきましょう。
雇用契約書や労働条件通知書など、勤務条件を確認できる書類が手元にあれば内容を見直しておくとよいでしょう。
退職についての希望を整理する
退職希望日や、勤務先へ伝えてほしい内容を整理します。
有給休暇、会社から借りているものの返却、職場に残している私物、必要書類の受け取りなど、確認したいことがあれば書き出しておきましょう。
希望する内容についてサービス側で対応できるかどうかも、勤務先への連絡前に確認します。
退職代行を利用しても自分で対応することがある

退職代行へ依頼すれば、退職に関係する作業をすべて代わりに行ってもらえるとは限りません。
書類の作成や貸与品の返却など、本人が対応する項目が残ることがあります。
退職に必要な書類を確認する
勤務先から退職届などの提出を求められた場合は、案内された方法に沿って対応します。
郵送で提出する場合は、送付先や提出期限などを確認しましょう。
どの書類が必要なのか分からない場合は、勤務先からの案内や利用している退職代行の対応範囲を確認します。
会社から借りているものを返却する
社員証、パソコン、スマートフォン、制服、鍵など、会社から借りているものがあれば返却が必要になります。
郵送などで対応する場合は、送付先や方法を確認しましょう。
返却するものを事前に一覧にしておくと、確認漏れを防ぐためのチェックに利用できます。
退職後に受け取る書類を確認する
源泉徴収票や雇用保険に関する書類など、退職後に勤務先から受け取るものがあります。
自分の状況によって必要となる書類は異なるため、何を受け取る予定なのか確認しておきましょう。
郵送で受け取る場合は、勤務先に登録されている住所に変更がないかも確認します。
退職後の手続きについても準備しておく
退職代行のサービスが終了しても、その後に必要な手続きが残る場合があります。
特に次の勤務先へすぐに入社しない場合は、健康保険や年金などについて確認しておきましょう。
健康保険について確認する
勤務先の健康保険から外れた後、次の勤務先の健康保険へ加入する場合のほか、国民健康保険や現在加入している健康保険の任意継続などを検討するケースがあります。
自分が利用できる制度や手続きの期限などについては、加入していた健康保険の保険者や自治体などの案内を確認しましょう。
年金や雇用保険なども確認する
退職後の状況によっては、年金の切り替えなどが必要になる場合があります。
また、雇用保険の基本手当などについて確認したい場合は、必要な書類や手続きについて関係機関の案内を確認しましょう。
退職代行が対応する範囲と、退職後に自分で行う手続きを分けて考えておくことが大切です。
複数の退職代行を比較するときのポイント
候補となるサービスが複数ある場合は、同じ項目で比較すると違いを整理しやすくなります。
料金だけではなく対応内容も並べて比較する
基本料金だけで比較するのではなく、運営主体、対応範囲、追加料金、相談方法、対応時間などを同じ表にまとめてみましょう。
キャンセルや返金に関する条件についても、利用を検討するうえで確認しておきたい項目です。
自分にとって必要性の高い項目に印を付けておくと、サービスごとの違いを確認しやすくなります。
分からない部分は申し込み前に質問する
Webサイトを読んでも分からないことがある場合は、申し込み前に問い合わせてみましょう。
特に、自分が希望している対応が料金に含まれているのか、追加料金が発生する可能性があるのかなどは確認しておきたいポイントです。
説明を受けた後も不明な点が残る場合は、すぐに申し込まず、必要に応じてほかのサービスと比較する方法もあります。
退職代行を申し込む前の最終チェック
最後に、これまで確認してきた内容を振り返ってみましょう。
サービスについて確認する項目
運営主体、サービスの対応範囲、基本料金、追加料金の有無、相談方法、対応時間などを確認します。
あわせて、相談できる期間や回数、キャンセルや返金に関する条件についても確認しておきましょう。
自分の状況について確認する項目
雇用形態、退職希望日、会社へ伝えてほしい内容、貸与品、職場に残している私物などを整理します。
勤務先との間で金銭や条件について話し合う必要がありそうな場合は、その内容をサービス側へ伝え、対応できる範囲を確認しましょう。
利用後に自分で行うことも確認する
退職届などの書類提出、貸与品の返却、退職後に受け取る書類などについて確認します。
さらに、退職後の状況によっては健康保険や年金などの手続きが必要になることもあります。
退職代行へ依頼する部分と、自分で対応する部分を分けて整理しておきましょう。
退職代行は申し込み前の確認を大切にしよう
退職代行にはさまざまなサービスがあり、運営主体や対応範囲、料金体系などはそれぞれ異なります。
そのため、目についたサービスへすぐ申し込むのではなく、まずは自分が何を依頼したいのかを整理することがポイントです。
そのうえで、運営者情報、対応内容、料金、追加料金、相談方法、利用条件などを確認し、複数のサービスを同じ項目で比較してみましょう。
また、退職代行を利用しても、貸与品の返却や必要書類の確認、退職後の手続きなど、自分で対応することがあります。
サービスに任せられる範囲と自分で行うことを確認し、自分の状況や希望に合っているかを検討してから申し込みを進めましょう。

